一口に「西島秀俊の髭」と言っても、作品やシチュエーションによってその表情は全く異なります。過去のビジュアルを比較すると、彼が演じ分ける髭のグラデーションの豊かさに驚かされます。
一つは、映画『MOZU』や『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』などのハードボイルド作品で見せる「無骨な無精髭」です。荒削りで無防備、日々の過酷な任務で身なりに構っていられない男のリアリティが滲み出ており、アクションシーンでの鋭い眼光をさらに引き立てます。
もう一つは、映画祭のレッドカーペットやハイエンドな雑誌グラビアで披露する「端正に整えられたダンディ髭」です。上質なタキシードやシックなジャケットに綺麗にトリミングされた口髭・顎髭を合わせることで、ハリウッドスター顔負けの優雅で洗練された紳士の魅力を漂わせます。ラフさとノーブルさ、この二面性を自在に行き来できる点も彼の大きな強みです。