時計の針を少し戻そう。かつてのサン電子は、保有するセレブライト株の含み益と本体事業の収益力とのギャップに苦しんでいた。物言う株主として知られるオアシス・マネジメントからの強烈なプレッシャー、経営陣の刷新、そして保有株の部分売却。一連のドラマは、日本の閉鎖的な中堅メーカーがグローバルな資本市場の洗礼を浴びた象徴的な事件だった。
結果として何が残ったか。極めてシンプルな答えがある。強烈な資本効率への意識と、新規投資に即座に振り向けられる分厚い自己資本だ。守旧的な経営陣が退場し、市場との対話を重視する現体制へ移行したことで、同社は「現金を抱え込んで停滞する日本企業」の典型から、最もアグレッシブに資本を投下できる異色のテック企業へと脱皮した。