近年の観光業の急回復に伴い、国内の旅行者だけでなく海外からの観光客も膨大な数に上る。観光ルートの一環として有名な寺社を訪れ、スタンプラリー感覚で記念品を収集しようとするライト層が押し寄せることで、境内はかつてない混雑と混乱に見舞われている。
格式高い伊勢神宮をはじめとする歴史ある聖地では、古来からの厳格な参拝作法と静謐な環境が厳重に維持されている。しかし、観光地化が進む各地の寺社では、純粋な信仰の場としての役割と、観光資源としての集客という二者択一の狭間で激しい葛藤が続いている。参拝者側の理解不足が、その歪みを一層深刻にしているのは間違いない。