時計の針を1993年に巻き戻してみよう。当時、日本のコーヒートレンドといえば缶コーヒーが主流だった。そこに突如として現れたのが、プラスチックカップにストローを挿して飲むという、まったく新しいスタイルのチルドカップコーヒーである。
シアトルの街角で人々が日常的に楽しんでいたエスプレッソ文化を、日本人の繊細な味覚とライフスタイルへ落とし込む。そのミッションを背負った開発チームは、缶では熱処理によって損なわれてしまうミルクのフレッシュな風味を保つため、徹底した温度管理を前提とするチルド流通に着目した。常温保存の利便性を捨ててまで選んだ「鮮度」へのこだわりこそが、いまに続く大ヒットの原点だったのだ。