書類選考と面接のリアルな現場では、どのようなやり取りが交わされているのでしょうか。転職活動を経験した当事者の手記や面接現場の証言から、評価の分かれ目を検証します。
大学卒業後に大手通信会社で派遣社員として3年間テクニカルサポートを担当し、その後SaaS企業のカスタマーサクセス正社員へと転職を果たした20代後半の女性は、取材に対して次のような生のプロセスを語っています。
「書類選考の段階で『派遣社員=社会人経験とみなさない』として機械的にお見送りになった企業が2社ありました。しかし、別の企業では『派遣でありながら顧客満足度向上プロジェクトを主導し、解約率を前年比5%改善させた』という具体的な数値を職務経歴書に明記したところ、面接で深く評価され内定をいただきました。看板ではなく、その環境で自分がどう動いたかが問われていたと感じます」
一方で、IT系事業会社で採用責任者を務める男性は、自社が設定する判断基準の裏側を次のように明かします。
「履歴書の職歴欄で契約形態ばかりを気にする求職者がいますが、人事が見ているのは契約書の種類そのものではありません。『組織の目標に対してコミットした経験があるか』『トラブル発生時に責任から逃げずに対処できるか』というビジネスパーソンとしての当事者意識です。アルバイトであっても時間帯責任者としてシフト管理や売上目標の達成に貢献したエピソードがあれば耳を傾けますし、逆に正社員を3年続けていても指示された作業をこなしていただけなら魅力を感じません」
第二新卒の社会人経験の基準についても現場での認識は明確です。新卒入社後1〜2年で退職した求職者に対して、企業は高度な専門性を期待していません。求めるのは「社会人の基本動作(報告・連絡・相談、メール作成、挨拶、時間の厳守)」が身についていること、そして「前職の早期離職を他責にせず、客観的に自己分析できているか」という素直さと学習意欲です。