Q1:「警察に通報するぞ」「弁護士に頼んで訴えてやる」と相手に告げるのは脅迫罪になりますか?
A1:原則として脅迫罪にはなりません。警察への通報や民事訴訟の提起は、国民に認められた正当な権利行使の手続きだからです。ただし、相手に落ち度がないにもかかわらず虚偽の理由で告訴すると告げたり、権利行使にかこつけて「言うことを聞かないと警察に突き出すぞ」と過剰な要求を迫ったりした場合は、正当な権利の範囲を逸脱しているとみなされ、脅迫罪や恐喝未遂罪、強要罪が成立する可能性があります。
Q2:親しくしている交際相手や親友に対する危害を予告された場合、脅迫罪で訴えることはできますか?
A2:刑法第222条が明記する脅迫罪の対象は「本人またはその親族」に限られるため、法律婚をしていない交際相手や友人は文言上含まれません。したがって脅迫罪単体での立件は困難なケースがあります。しかし、相手の目的が別れ話の阻止や金銭要求であれば「強要罪」や「恐喝罪」が成立する可能性があるほか、ストーカー規制法違反や各自治体の迷惑防止条例違反など、別の法令を適用して警察が介入できるケースは多々あります。
Q3:脅迫罪の被害届を出した場合、相手は必ず逮捕されますか?
A3:必ずしも逮捕(身柄拘束)されるとは限りません。刑事事件の捜査には、身柄を拘束する「逮捕手続」と、身柄を拘束せずに捜査を進める「在宅捜査」の2種類があります。加害者が罪を認めており、定まった住所と仕事があり、逃亡や証拠隠滅の恐れがないと判断された場合は、在宅のまま書類送検されるケースも一般的です。もっとも、在宅捜査であっても起訴されれば前科がつくことに変わりはありません。