スーパーの果物売り場で、あの鮮やかなピンク色の球体が異彩を放っている。数年前までは珍しかった光景だ。しかし、2026年現在、それは日常の風景となった。日本の平均気温上昇に伴い、国内の熱帯フルーツ栽培北限線が急速に北上している。宮崎や鹿児島、さらには和歌山といった地域からも、糖度の高い高品質なドラゴンフルーツが出荷されるようになったのだ。
輸入物は検疫の関係で未熟なうちに収穫され、追熟しない性質上、どうしても味がぼやけてしまう。一方で、国内でギリギリまで木の上で完熟させたものは驚くほど甘い。ジューシーで、ほのかな酸味がある。この「本物の味」との出会いが、消費者の意識を劇的に変えた。