旧大社駅を訪れたら絶対にチェックしておきたいのが、随所に散りばめられた木造駅舎の建築美です。出雲大社の表玄関にふさわしい、荘厳かつ気品に満ちたデザインが鑑賞者を圧倒します。
外観は、神社建築の様式を取り入れた豪快な入母屋造り(いりもやづくり)で、屋根には鴟尾(しび)や鬼瓦が据えられています。一見すると由緒ある神社や寺院と見紛うほどの風格です。
一歩足を踏み入れると、高い格天井(ごうてんじょう)が広がる開放的な空間が出迎えます。大正時代を象徴する和洋折衷の美しいシャンデリア、飴色に輝く木製の改札口(改札ラッチ)、かつて切符が手渡されていた出札口の窓口など、当時の空気感がそのまま保存されています。
さらに見逃せないのが、駅舎裏手に広がるJR大社線の廃線跡です。当時の面影を残すホームや線路とともに、かつて山陰本線を力強く駆け抜けた「D51形蒸気機関車(通称デゴイチ・774号機)」が静態保存されています。レトロな駅舎と漆黒のSLが織りなす情景は、鉄道ファンのみならず写真愛好家にとっても絶好の撮影スポットです。