2013年、富士山は自然遺産ではなく「信仰の対象と芸術の源泉」という文化的価値が認められ、ユネスコの世界文化遺産に登録された。名峰への国際的な視線が高まる一方で、急増するハイカーや観光客によって過度な混雑やマナーの欠如が引き起こされ、周辺の観光業は好景気に沸く反面、過剰利用(オーバーツーリズム)という深刻な課題に直面することとなった。
事態を重く見た環境省と地元自治体は、環境保護と安全確保のための抜本的な対策に乗り出した。山麓でのマイカー規制の強化に始まり、登山道の夜間規制や通行人数の上限設定など、山体そのものを保全しながら持続可能な観光を実現するための新たな制度設計が着々と進められている。