温泉街の目と鼻の先にある松江しんじ湖温泉駅からは、地域に根ざした一畑電車株式会社の路線が伸びている。淡いイエローやオレンジのクラシックな車両が湖畔を沿うように走る姿は、どこか懐かしく温かい雰囲気を漂わせている。
この路線は、中井貴一主演の映画『RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語』の舞台として一躍全国に知られるようになった。作中に登場した駅舎や沿線の風景は今も大切に残されており、映画のファンだけでなく鉄道好きや写真好きの心を惹きつけてやまない。のんびりと揺られながら出雲方面へと向かう車窓の旅は、慌ただしい現代の旅行とは対極にある豊かさを与えてくれる。