この戦いの天王山はどこにあったのか。勝敗を分けた最大の決定打は、「見えない閉塞感」を抱えていた浮動票の爆発的な流動化にある。長年続いた市政への不満は、表立った反発ではなく「何かが変わってほしい」という静かな渇望として蓄積されていた。
小川氏が掲げた「市政刷新」のスローガンは、単なる政権批判にとどまらず、行政の透明化と市民参加の再設計を約束するものだった。とりわけ現役世代や女性層が抱いていた「声が届かない」という疎外感に対し、法曹出身ならではの傾聴力とフェアな姿勢が強力な説得力を持った。結果として、従来の保守地盤の内部からも無視できない規模の支持が小川氏へと流れ込み、強固に見えた組織の防壁を内側から突き崩した。