写楽保介という複雑極まりないキャラクターを繋ぎ止めていた唯一の存在、それが同級生でありバディでもある和登千代子(和登さん)だ。男勝りで正義感あふれる彼女の存在なくして、この壮大な伝奇SFの完結はあり得なかった。
額の絆創膏を剥がせば世界を揺るがす怪物となり、絆創膏を貼れば無力な幼児同然に戻る写楽。この極端な振れ幅の中で、和登千代子は常に彼を「一人の人間」として愛し、暴走を食い止める「最後の砦」として機能した。最終回において、写楽が自身の破壊的な知性と決別し、再び絆創膏を受け入れた背景には、和登さんに対する無意識の信頼と依存があった。第三の目がもたらす絶望的な孤立を救ったのは、古代の超科学ではなく、泥臭い人間の情愛だったのだ。