トートバッグに付着する汚れは、部位によって原因が全く異なります。全体を漫然と水に浸ける前に、汚れの性質に応じたピンポイントの前処理を行うことが仕上がりを左右します。
1. 持ち手・底面の皮脂黒ずみ:固形石鹸または重曹ペースト
直接手で握る持ち手に生じる黒ずみの主成分は、手のひらから分泌された皮脂と空気中のホコリが混ざり合って酸化した油性汚れです。トートバッグの持ち手の汚れ落とし方としては、弱アルカリ性の固形洗濯石鹸(ウタマロ石鹸など)をぬるま湯で湿らせた持ち手に直接塗り込み、使い古した柔らかい歯ブラシで繊維の目に沿って優しく掻き出す方法が極めて有効です。
オーガニックコットンや無漂白の生成り生地で変色が心配な場合は、帆布バッグの洗い方に重曹を活用しましょう。重曹と水を3:1の割合で練った「重曹ペースト」を黒ずみに塗り、15分ほど放置してから歯ブラシで軽く叩き洗いすると、生地を傷めずに皮脂を分解できます。
2. 全体の黄ばみ・食べこぼしのシミ:オキシクリーン(酸素系漂白剤)
長期間クローゼットに保管していた白や生成りのバッグに浮き出る黄色いシミは、繊維の奥に残った皮脂が経年酸化したものです。キャンバス地トートバッグの黄ばみ落とし方には、粉末タイプの酸素系漂白剤(オキシクリーンなど)を使用した「オキシ漬け」が威力を発揮します。
40℃〜50℃のお湯に規定量の酸素系漂白剤を完全に溶かし、バッグ全体または変色部分を30分〜最長1時間程度浸け置きします。塩素系漂白剤と異なり、繊維を脆化させずに酸化汚れのみを分解・漂白できるため、白物キャンバスのトーンアップに最適です。
3. 色柄物・ロゴ入りの色落ち防止対策
濃色(ネイビー、ブラック、レッド等)の帆布やプリントロゴ入りバッグの場合、アルカリ性洗剤や漂白剤を使用すると激しい色褪せを引き起こします。トートバッグの色落ち防止の洗い方では、必ず液体の中性洗剤(おしゃれ着洗剤)を使用し、水1リットルに対して大さじ1杯の食塩、または小さじ1杯の酢を溶かした水で洗う裏ワザが効果的です。塩分に含まれるナトリウムイオンが染料と綿繊維の結合を強め、染料の流出を物理的に抑制します。