ネット上の料理コミュニティやSNSでは、つぶ貝に関して医学的・生物学的に誤った情報が散見されます。安心・安全な食体験のために、代表的な2つの誤解を正します。
誤解1:「アニサキスなどの寄生虫が危険」という混同
海産魚介類の刺身というとアニサキス症が連想されますが、基本的につぶ貝にアニサキスが寄生するリスクは極めて低いとされています。つぶ貝の生食事故の99%以上は寄生虫ではなく「唾液腺の除去不足(テトラミン毒)」によるものです。目視すべきは白い糸状の虫ではなく、黄色い塊であるアブラです。
誤解2:「沸騰したお湯でしっかり茹でれば毒は消える」という過信
先述の通り、テトラミンは熱に対して極めて安定した耐熱性構造を持っています。100℃で数十分間煮込んでも毒性は失われません。むしろ煮汁の中に毒が溶け出し、その汁を飲むことで重い症状を招く事故が多発しています。「加熱するからアブラを取らなくて良い」という認識は重大な間違いです。