セル編における最大のクライマックスであり、「ドラゴンボール」全史を通じても最高潮のドラマを生み出した親子かめはめ波は、アニメ作品ごとに明確な話数が割り振られています。動画配信サービス等で振り返る際は、視聴するシリーズごとのサブタイトルを確認しておくとスムーズです。
オリジナル版である『ドラゴンボールZ』では、1993年6月30日放送の第191話「戦いは終った… ありがとう孫悟空」において、息を呑む撃破シーンが描かれました。その直前、第190話「セルから地球へ恐怖の宣告!! 全滅を賭けたかめはめ波」から緊迫した気のせめぎ合いが続いており、2話にわたる怒涛の攻防として視聴者の脳裏に焼き付いています。また、美麗なリマスターとテンポの良い再構成が施された『ドラゴンボール改』では、第97話「笑顔のお別れ! 新しい日々へ…」が運命の決着回に該当します。
ファンの間でとりわけ議論の対象となるのが、集英社が刊行した鳥山明氏による「原作漫画」と、東映アニメーションが制作したアニメ版における演出の差異です。
原作第416話『セル戦の終結』において、悟飯の背後に立ち現れる悟空の姿は「黒髪の通常状態」として描かれています。精神世界あるいは象徴としての存在であることを強調するかのように、静けさをたたえた通常姿の父が、少年の右腕にそっと手を添える構図が取られました。一方、アニメ『Z』では画面のケレン味や劇伴とのシンクロを重視し、悟空が「超サイヤ人状態」で金色のオーラを激しく放ちながら並び立つビジュアルへと大胆に変更されました。この改変により、死者と生者が超サイヤ人の領域で共闘しているかのような爆発的な迫力が生まれ、現在流通するフィギュアやゲーム演出の多くに決定的な影響を与えています。