文具の魅力に深く取り憑かれ、収集や探求をやめられなくなる状態を指す言葉、それが「文具沼」だ。この言葉が示す通り、ひとたび足を踏み入れると、その奥深い世界観と無限の選択肢から抜け出せなくなる愛好家が後を絶たない。
そのムーブメントの頂点に君臨するのが、システム手帳の爆発的な再ブームである。リフィルの用紙一枚に至るまで紙質や罫線幅、インクの滲みにくさを吟味し、自分だけの「思考の要塞」を構築するスタイルが完全に定着した。使い込むほどに味わいを増す本革カバーを育てる歓びとともに、タスク管理やアイデア出しをアナログで統合する作業は、デジタルツールでは決して得られない所有欲と達成感を与えてくれる。