彼の名を日本中に知らしめた金字塔といえば、1953年から公開され空前の大ヒットとなった映画『君の名は』である。岸惠子演じるヒロイン・真知子とのすれ違いの恋に胸を焦がす主人公・後宮春樹役を演じ、日本中を熱狂の渦に巻き込んだ。
作品の大ヒットに伴い、ヒロインのショールの巻き方「真知子巻き」が社会現象となったが、その熱狂を陰で支えたのは、相手役としての彼が見せた凛々しくも誠実な面持ちであった。すれ違いの切なさを全身で体現した彼の姿は、当時の日本人の心に深く刻まれ、松竹を代表するトップスターの位置を不動のものにした。