冬の山形は厳しい。ひとたび地吹雪が起きれば、主要幹線道路は麻痺し、救急車の搬送時間は平時の倍近くに跳ね上がる。このタイムロスを埋めるのが、同院屋上ヘリポートから飛び立つドクターヘリだ。
出動要請からわずか数分での離陸。機内ではフライトドクターとナースが、搬送元からのタブレット映像を凝視しながら初期治療のシミュレーションを組み立てる。導入された高精細モバイル通信システムにより、患者の生体データはリアルタイムで院内救命センターへ共有され、到着と同時に初療室から緊急カテーテル室、あるいは手術室へ直行できる体制が整えられている。「1分1秒を削り出す」という言葉は、ここでは比喩ではない。