ネット上のマナー議論で頻出するのが、「『ご担当者様』は『ご』と『様』が重なっているから二重敬語ではないか」という疑問です。ルールを厳格に捉えようとするあまり、かえって過敏になってしまう応募者が少なくありません。
国語審議会および文化庁の『敬語の指針』に照らし合わせると、この解釈は明らかな誤解です。二重敬語とは、1つの単語に対して同じ種類の敬語(尊敬語+尊敬語など)を不必要に重ねることを指します(例:「おっしゃられる」「ご覧になられる」など)。
一方で「ご担当者様」という構成を分解すると次のようになります。
- ご(接頭辞):相手の事柄に対する敬意・美化を表す
- 担当者(名詞):役割を示す名詞
- 様(接尾辞):人に対する直接の敬称
接頭辞「ご」と敬称「様」の組み合わせは二重敬語には該当せず、日本語の文法上きわめて正当な表現です。「お客様」「ご令嬢様」といった言葉と同様に、現代のビジネス社会において広く定着した自然な敬語表現として認められています。安心して「採用ご担当者様」と記載してください。