「サザンの横浜の歌といえばどれ?」という問いに対して、誰もが真っ先に挙げるのが『LOVE AFFAIR 〜秘密のデート』でしょう。この曲の最大の魅力は、実在する横浜のデートスポットが流れるようなストーリー仕立てで歌詞に登場する点にあります。
歌詞の冒頭からサビにかけて描かれるロケーションは、まさに完璧な横浜夜景クルージング&ドライブの動線を描いています。
「マリンルージュで愛されて 大黒埠頭で虹を見て」という印象的なフレーズ。ここで登場する「マリーンルージュ」は、山下公園や赤レンガ倉庫から出航する実在の観光クルーズ船です。船上レストランで食事を楽しみながら横浜港の夜景を眺める時間は、特別なデートの象徴として描かれています。
続く「大黒埠頭で虹を見て」という描写は、当時開通して間もなかった横浜ベイブリッジを指しているとされています。夜間にライトアップされたベイブリッジの優美なアーチは、まるで夜空にかかる光の虹のように見え、大黒埠頭のパーキングエリアや展望スペースから眺めるその姿は、当時のドライブデートの定番でした。
なぜ桑田佳祐氏はこれほどまでに具体的なランドマークを歌詞に落とし込んだのか。それは、許されない「秘密の恋」という背徳的なテーマに対して、誰もが知る美しい現実のスポットを対比させることで、物語の切なさとリアリティを極限まで際立たせるためだったと考えられます。