1990年代半ばの日本映画界において、彼の登場は事件そのものだった。ジュノン・スーパーボーイ・コンテストでのグランプリ獲得を経て挑んだ『Love Letter』での演技は、セリフこそ削ぎ落とされていたものの、その佇まいだけで観客の記憶に鮮烈な刻印を残した。
光と影を巧みに繰る映像美のなかで、静けさと透明感を全身から醸し出していたあの目元。日本国内にとどまらず、韓国や台湾、中国本土へとその波紋は一気に広がった。「アジアの初恋」という、ある種ロマンティシズムに満ちた異名で呼ばれたのも納得がいく。当時の若手俳優群像のなかでも、浮世離れした美意識をまとった稀有なアイコンだった。