「高価なお掃除機能付きエアコンを買ったのに、2年で黒カビだらけになった」という相談が後を絶ちません。ここには、家電量販店のセールストークと実際の構造の間に横たわる大きな誤解があります。
いわゆる「自動お掃除機能」が自動で清掃してくれるのは、空気の入り口にある「プレフィルターの表面に付着したホコリ」だけです。冷房で濡れる熱交換器の奥深くや、風を送り出す円筒状のシロッコファン、風向きを変えるルーバーの裏側などは掃除されません。フィルターのホコリをいくら取り除いても、取りきれなかった微細なチリや油煙は内部に吸い込まれ、結露水と合体してファン周辺にこびりつき、容赦なくカビの巣窟となります。
さらに、自動排出型ではないお掃除機能付きエアコンの場合、集めたホコリを溜める「ダストボックス」の定期的な水洗いやゴミ捨てを怠ると、ボックス自体がカビの温床となり、そこから胞子がエアコン全体に逆流するという本末転倒な事態に陥ります。「お掃除機能がついているからメンテナンスフリー」という思い込みこそが、内部のカビを深刻化させる最大の落とし穴です。