綾小路翔の素顔を語る上で避けて通れないのが、2000年代中盤に一大旋風を巻き起こした綾小路翔DJOZMA同一人物をめぐる議論です。六本木系パーティーチューン『アゲ♂アゲ♂EVERY☆騎士』で爆発的ヒットを記録し、2006年のNHK紅白歌合戦でのボディースーツ演出で物議を醸したDJ OZMAについて、本人は長年にわたり「友人関係であり、完全に別人」という設定を一貫して貫いてきました。
喉の形状、発声の特徴、耳の形や体躯の一致から、同一人物であることは公然の事実でありながら、双方がメディアで対面する演出や、互いの活動を痛烈に批評し合うプロレス的アプローチを展開。この「嘘を誠にする遊び心」こそが、綾小路翔というクリエイターの真骨頂です。昭和のテレビバラエティやプロレス興行が持っていた「誰もが虚構と知りつつ、その粋な茶番劇に熱狂する文化」を、平成から令和の時代に単身で再構築した功績は計り知れません。
後年のインタビューやトーク番組では、OZMA時代の過激なエピソードを自虐交じりに振り返るなど、設定の境界線を自在に行き来して笑いを生み出しています。素顔を晒すか否かという二元論を超え、「どのペルソナで観客をもてなすか」というサービス精神の徹底ぶりが、彼の支持基盤を強固なものにしています。