倒産の危機は免れているものの、本業である新聞出版事業の苦境は数字に如実に表れています。一般社団法人日本新聞協会の公開データおよび各種業界レポートを振り返ると、日本の新聞発行部数は全体として急勾配の減少曲線をたどっています。
毎日新聞の発行部数は、最盛期の1990年代前半には約400万部を誇っていました。しかし、インターネットやスマートフォンの急速な普及、現役世代の活字離れに伴い部数は右肩下がりに減少。2010年代後半に300万部を割り込むと、2026年代前半には200万部をも下回り、2026年現在の推定発行部数は130万〜150万部規模にまで落ち込んでいるとみられます。
部数の激減に伴い、同社は度重なる営業赤字・最終赤字に直面してきました。その主な要因は以下の通りです。
第一に、紙の販売収入と並ぶ収益の柱であった新聞広告収入の激減です。企業の広告出稿先がウェブメディアやSNS、動画プラットフォームへ一気にシフトした結果、紙面広告の単価と出稿量が大幅に縮小しました。
第二に、世界的な原油高や円安を背景とした新聞用紙・インク代の高騰、輸送燃料費の上昇です。部数が減る一方で1部あたりの製造・流通コストが跳ね上がるという「コスト高の二重苦」が収益を大きく圧迫しています。