67人を素手で屠った「怪異」の噂を聞きつけ、現れたのが鬼の始祖・鬼舞辻無惨であった。無惨の手によって大量の血を注ぎ込まれた狛治は、人間時代の凄惨な記憶をすべて失い、ただ「強さ」のみを貪欲に求める鬼・猗窩座へと変貌を遂げる。
鬼となった彼が展開する血術「破壊殺」の技名は、すべて「羅針」や「乱式」、そして恋雪と見た花火や彼女の髪飾りをモチーフにしたものだった。記憶を失ってもなお、彼の無意識の深層には恋雪との想い出と、守れなかった後悔が呪いのように刻まれ続けていたのだ。強者を尊び、弱者を徹底して見下す態度は、大切な者を守れなかった「弱かった自分」への激しい蔑視の裏返しに他ならなかった。