民放各局がこのテロップに頼り続けた最大の理由は、BPO(放送倫理・番組向上機構)への意見申し立てとスポンサー離れの抑止にあります。
テレビ局にとって、BPOの「青少年委員会」や「放送人権委員会」で審議入りすることは、番組の存続や局の社会的信用に直結する重大事態です。特に食品を粗末に扱う行為は、世代を問わず生理的な嫌悪感を呼び起こしやすく、局への直接抗議のみならず番組提供スポンサーへの不買運動や抗議に発展するリスクを孕んでいます。
「スタッフが美味しくいただきました」という一文は、制作現場が「食品ロスへの配慮を行っている」という形だけでも整えるための心理的・形式的な防波堤(免罪符)として機能してきました。しかし、誰の目にも食べられる状態ではない演出に対してこの文言を機械的に表示し続けた結果、かえって視聴者の不信感を増幅させる要因となっていきました。