物語の主人公は、バイト先の店長との不毛な浮気恋愛から抜け出せず、情に流されて生きてきた25歳の梅宮志乃(多部未華子)。「心機一転、流される人生を変えよう」と決意した彼女は、仕事を辞めて下北沢近くの古いアパートへと引っ越し、心機一転を図ります。
しかし、引っ越したその日にアパートの隣人であり、近所のレンタルビデオ店の店長を務める菅原京志郎(綾野剛)と運命的な出会いを果たします。植物に水をやりながら人懐っこい笑顔を見せる京志郎に、志乃は一瞬で心を奪われてしまいます。京志郎が店長を務めるビデオ店でバイトを始めた志乃ですが、彼には同棲している恋人・天野菜奈子(光宗薫)がいることを知らされます。
一度は諦めようとした志乃でしたが、菜奈子の突然の失踪をきっかけに京志郎との距離が急接近。傷心の京志郎と志乃は互いに惹かれ合い、ついに付き合うことになります。しかし、志乃の心には「自分はただの身代わりなのではないか」「いつか捨てられるのではないか」という激しい不安と自己不信が渦巻き始めます。
物語の後半、失踪していた元カノ・菜奈子が再び姿を現したことで、二人の関係は決定的な破綻を迎えます。京志郎の優しさがかえって曖昧な態度に見え、嫉妬と疑心暗鬼に耐え切れなくなった志乃は、感情を爆発させて別れを選択。バイト先の後輩である川原成天(菅田将暉)からの強烈なアプローチに流されそうになるなど、志乃は再び自暴自棄の淵へと立たされます。
迎えるクライマックスの真相。互いに激しく傷つけ合い、一度は決定的に離ればなれになった二人ですが、志乃は「誰かに愛されることで自分を埋める」のではなく、まずは「自分自身の足で立つ」ことの大切さに気付き始めます。ラストシーンでは、偶然の再会と不器用な本音のぶつかり合いを経て、お互いの弱さやすべてのみっともなさを丸ごと受け入れた上で、再び手を取り合います。単純なハッピーエンドにとどまらない、痛みを伴う大人の再生が描かれた結末は、観客に強烈な余韻と救いを与えています。