1980年代前半、次々と話題作や意欲作へ出演し、邦画の多様性を支える顔となった。角川映画の代表作として名高い『スローなブギにしてくれ』では、若者たちの破滅的で危うい日常をスタイリッシュかつ生々しく演じ切り、当時のユースカルチャーを鮮烈に象徴してみせた。
一方で、実在の大量殺人事件をモチーフにした『丑三つの村』で見せた鬼迫の怪演は、邦画史上に残る衝撃的な演技として語り継がれている。村人を次々と襲う極限状態の狂気と、その背景にある深い孤立感を見事なまでに同居させた表現力は、観る者を圧倒した。単なる恐怖映画の枠を超え、人間性の崩壊を描いた深遠なサスペンスドラマとして評価を確立させたのは、偏にその壮絶な演じ切りがあったからこそだ。