彼の役者人生を検証する上で避けて通れないのが、『HERO』をはじめとする平成のスーパーヒット作が残した巨大な影だ。型破りな検事・久利生公平を演じた時代から、世間は彼に対して常に「爽快なヒーロー」であることを求め続けてきた。
しかし、その強烈すぎる成功体験こそが、「何をやってもキムタク」というアンチ層の定番の批判を生み出す要因ともなった。王道のキャラクターを演じれば「変化がない」と叩かれ、複雑な陰影を持つ役に挑めば「らしくない」と難色を示される。この矛盾に満ちたダブルバインドを背負い続けること自体が、彼が平成から令和へと引き継いだ稀有なスターの宿命と言える。