洗濯機から取り出した洗い立てのシャツ。一見すると清潔そのものだが、繊維のミクロな隙間にはすすぎきれなかった微小な成分が残存していることがある。特に一般的な洗濯用洗剤に多く使われる合成の界面活性剤や、白さを強調するための蛍光増白剤は、繊維に吸着しやすい性質を持つ。汗や皮脂と混ざり合うことでそれらが溶け出し、角質層のバリアを通過して刺激を与えるメカニズムが解明されてきた。
こうした物質が引き起こすのが、アレルギー性あるいは刺激性の接触皮膚炎だ。皮膚の最も外側にある皮脂膜を過剰に脱脂し、角層の水分保持能力を低下させてしまう。特に皮膚が薄い乳幼児や、慢性的なバリア機能低下を抱えるアトピー性皮膚炎の患者にとって、繊維に残った界面活性剤の微量な刺激は激しいかゆみや炎症の直接的な引き金となり得る。日々の洗濯が、無自覚のうちに肌への攻撃になってしまっているケースは少なくない。