ゼロカロリー理論が世に広く知れ渡る最大の起爆剤となったのは、テレビ朝日系バラエティ番組『アメトーーク!』の人気企画です。「ついつい食べ過ぎちゃう芸人」や「アイス大好き芸人」「揚げ物大好き芸人」といった食をテーマにした回で、伊達みきおが共演者たちの制止を振り切るように発した一言がすべての始まりでした。
番組プロデューサーや関係者の証言によると、伊達自身は当初から計算して理論を構築していたわけではありませんでした。楽屋やロケ現場で大好物を前にした際、相方の富澤たけしや周囲のスタッフから「そんなに食べたら太るよ」と突っ込まれたのに対し、「いや、柿の種は小っちゃいから太らない」「カロリーなんてない」と苦し紛れに返した楽屋トークが原型です。
スタジオ収録のカメラ前でこの返しを披露したところ、ひな壇の芸人陣と観客から地鳴りのような爆笑が巻き起こりました。「太りたくないけれど食べたい」という全人類共通の欲望と葛藤に対し、あまりにも堂々とした態度で物理法則をねじ曲げてみせる伊達の語り口。それが絶妙なコントラストを生み、単なる言い訳を超えた「至高の話術」へと昇華していったのです。