民間相場とのギャップはすさまじい。東京23区内の1LDK〜2LDKの賃貸相場は月額18万〜25万円に達するが、国家公務員宿舎の賃料は国家公務員宿舎法に基づき、建設コストや減価償却費、築年数を基準に算出される。その結果、都心の好立地であっても単身用なら月額1万〜2万円台、ファミリー向け広小路物件でも3万〜5万円台に設定されているケースが珍しくない。
「このインフレ下において、周辺相場の5分の1以下で供給される宿舎は、実質的な給与上乗せに等しい」と、近隣の不動産業界関係者はため息をつく。民間デベロッパーが喉から手が出るほど欲しい一等地に建ち並ぶ宿舎群に対し、周辺住民や納税者からの視線は依然として厳しい。
だが内部の実情は甘い話ばかりではない。築40年を超える未改修物件では、配管の劣化やエレベーターの不在、猛暑に耐えかねる断熱性能の低さに悩まされる若手職員も多く、物件ごとの「当たり外れ」の格差は極端だ。