メガホンを取るのは、国内外の映画賞を総なめにしてきた一流の映画監督だ。監督が本作で追求したのは、息をのむような緊迫感が連続する「サスペンス・スリラー」の要素と、人間の孤独や絆を深く掘り下げた重厚な「ヒューマンドラマ」の奇跡的な融合である。
緻密に張り巡らされた伏線、一瞬の隙も許さないシナリオ構成、そして極限状態に置かれた人間の心理描写。映画監督ならではのこだわりが全編に溢れており、単なる娯楽作品に留まらない人間存在の深淵に迫る名作としての確信が漂う。撮影現場では監督の徹底したディレクションのもと、一切の妥協を排したカットが重ねられている。