ドラマの世界にとどまらず、ドキュメンタリーの手法にもこの概念は深い爪痕を残した。米有料放送局の最高峰「HBO」が手掛けたスポーツドキュメンタリー番組『HBO 24/7』は、その代表例だ。アスリートの過酷なトレーニング風景や日常の葛藤をカメラが24時間体制で追い続ける密着スタイルは、テレビ報道に新たな地平を切り拓いた。
舞台裏の生の人間ドラマを切り取ったこのドキュメンタリーは、世界中の映像制作者に影響を与え、スポーツビジネスにおけるプロモーションの概念をも変革した。「常にカメラが回り続けている」という演出表現は、現代のSNS時代における「常にオープンであること」の原点ともいえる。