ストレッチや投薬、神経ブロック注射、理学療法などの保存療法を数カ月間継続しても症状が改善しない場合や、日常生活に著しい支障が出ているケースでは、外科的治療である第一肋骨切除術が視野に入ります。
手術が強く推奨される基準は明確です。鎖骨下動脈の圧迫によって血管壁に損傷が起き、動脈瘤や血栓が形成されている場合、あるいは鎖骨下静脈の完全閉塞(パジェット・シュレッター症候群)を伴う場合は、不可逆的な壊死や肺塞栓症を防ぐため迅速な手術が必要です。また、手の筋肉が明らかに痩せ細ってくる筋萎縮や、激しい難治性の神経痛が続く場合も絶対的な適応となります。
手術では、脇の下を切開する経腋窩(けいえきか)アプローチや鎖骨上からの切開によって、神経や血管を圧迫している第一肋骨の一部または全部を切除します。骨を取り除いても周囲の筋肉や他の肋骨が胸郭を支えるため、術後に呼吸機能が失われる心配はありません。術後の経過としては、数日間の入院を経て、1〜2週間程度でデスクワークなどの軽い日常動作に復帰できます。スポーツ活動の再開には、組織の回復と段階的なリハビリを経て約2〜3カ月の期間を見込むのが標準的です。