『アトムの子』を語る上で欠かせないのが、最大の敵役である巨大IT企業「SAGAS(サガス)」の社長・興津晃彦をめぐるキャスティングの舞台裏です。当初この役には香川照之がキャスティングされていましたが、クランクイン直前の報道を受けて急遽降板することが決定しました。
放送開始まで猶予がない極限状態の中、緊急オファーを受けて代役を引き受けたのがオダギリジョーでした。急な登板にもかかわらず、オダギリは興津というキャラクターを単なる「分かりやすい悪役」ではなく、冷酷でありながらも底知れぬ美学と日本のIT産業に対する独自の危機感を持つ、極めて立体的な人物として演じ切りました。
ネット上では放送当時から「オダギリジョーのスタイリッシュな佇まいが、新興テック企業の冷徹なトップ像に完璧にハマっていた」「結果的にこの代役がドラマの格調を高めた」と絶賛の嵐が巻き起こり、まさにピンチを最高の結果へ変えた名采配としてテレビ史に刻まれることになりました。