あの独特な匂いや渋みは、どこから来るのか。科学的な観点から紐解くと、ふたつの物質に行き着く。ひとつは、固化剤として使用される水酸化カルシウムだ。こんにゃく芋のマンナンを固めてぷるぷるの食感を作るために不可欠なアルカリ剤だが、これが独特の臭気や苦味の元となる。
もうひとつは、生のこんにゃく芋に含まれるタンパク質分解酵素の阻害物質、トリプシンインヒビターやシュウ酸カルシウムの影響だ。これらが残留していると、食べた際に口の中でピリピリとした刺激やエグみを感じることがある。沸騰した湯で2〜3分ほど加熱することで、これらの成分が分解・溶出し、本来の素朴でまろやかな味わいだけが残る仕組みになっている。