ネット上の情報や大衆の噂で最も多い誤解が、「焼酎で作るのがチューハイで、ウォッカで作るのがサワーである」という説です。
缶RTD市場の7割以上は「ウォッカ・ニュートラルスピリッツ」ベース
この説は半分正しく、半分は誤りです。歴史的な酒場の原点に立てば、確かにチューハイは甲類焼酎から生まれました。しかし、コンビニやスーパーで流通している大手メーカーの缶入り製品(RTD)を調査すると、缶チューハイと銘打たれた商品であっても、原材料表示のトップには「ウォッカ」または「スピリッツ」と記載されているものが大半を占めています。
メーカーが無味無臭に近い高純度のウォッカ(白樺炭で濾過した純アルコール)をベースに採用する理由は、果汁の瑞々しい風味や炭酸の刺激を邪魔せず、雑味のないクリアな喉越しを実現できるためです。「チューハイだから必ず焼酎の味がする」「サワーだからウォッカである」という区分けは、現代の缶飲料市場においては成り立ちません。
原材料とアルコール度数の多様化
2026年現在のRTD市場では、消費者の健康志向や嗜好の細分化に伴い、原材料の設計がさらに高度化しています。3%前後の低アルコール果汁リッチサワーから、樽貯蔵熟成焼酎を使用した本格プレミアムチューハイ、さらにはプリン体ゼロ・糖類ゼロを謳う無糖ドライ系まで、ベース酒と果汁の組み合わせは無限に広がっています。