ネット空間で頻繁に見かける「遺憾砲」という表現は、主に外国からの軍事的威嚇や不当な要求、主権侵害などに対して、日本政府が実効的な報復を行わず「遺憾の意」を表明するにとどまる様子を、架空の武器になぞらえて揶揄した造語です。
その発祥は2000年代前半の2ちゃんねる(現5ちゃんねる)に遡ります。当時、北朝鮮による弾道ミサイル発射や不審船事案、周辺国との領土問題を巡る摩擦が相次ぐ中、内閣官房長官や外務大臣が定例会見で「極めて遺憾である」「厳重に抗議した」という決まり文句を繰り返す姿が注目されました。これに対し、ネットユーザーが「相手に一切のダメージを与えない言葉だけの攻撃」として、アニメや特撮に登場する必殺技に見立てて「遺憾砲発射」と呼び始めたのが直接の元ネタです。
以降、SNSの普及とともにミーム(流行の発信源)として一般層へも拡散。ニュース番組のコメント欄やX(旧Twitter)では、重大事案が起きるたびに「また遺憾砲か」「遺憾砲の連射」といった書き込みがトレンド入りするなど、政府の危機管理姿勢に対する不満や無力感を象徴するキーワードとして定着しました。