彼女の体当たり演技が決定的な評価を確立した金字塔的作品が、映画『私の男』だ。直木賞受賞作を原作とする本作で、二階堂ふみは禁断の愛に溺れていくヒロイン・花を力演した。共演した浅野忠信との壮絶な掛け合いは、観る者の息をのませる迫力に満ちていた。
極寒の流氷の上での撮影をはじめ、過酷極まりない撮影現場において、彼女は心身ともに限界まで追い込まれながら役を全うした。一歩間違えれば単なる官能映画に陥りがちなテーマでありながら、彼女の宿した眼光は作品を芸術の域へと引き上げた。この名演によって日本アカデミー賞優秀主演女優賞をはじめ数々の賞を獲得し、若手屈指の実力派としての地位を盤石にしたのである。