事の発端は2010年7月、吉本興業の子会社や企画会社であるサンタプラネットなどが企画・販売を開始した「面白い恋人」の爆発的なヒットでした。吉本興業の劇場売店や関西の主要駅・空港で販売されるやいなや、「吉本らしいコテコテのパロディ菓子」として観光客を中心に急速に売り上げを伸ばしました。
しかし、北海道を代表する銘菓として30年以上の歴史を積み上げてきた「白い恋人」の製造元・石屋製菓(札幌市)にとって、この動きは到底見過ごせるものではありませんでした。石屋製菓側は2011年11月28日、吉本興業、よしもとクリエイティブ・エージェンシー、サンタプラネットの3社を相手取り、製造・販売の差し止めおよび約1億2,000万円の損害賠償などを求めて札幌地方裁判所に提訴したのです。
提訴に踏み切った最大の引き金は、販売エリアの拡大でした。当初は関西ローカルの劇場周辺で細々と売られていたものが、羽田空港や東京駅、さらには青森空港など全国各地の交通拠点へと販路を拡大。「北海道銘菓の信用と知名度にタダ乗りし、全国で消費者の誤認混同を招いている」と判断した石屋製菓の経営陣が、ブランド防衛のために断固たる法的措置に踏み切った瞬間でした。