川崎と世田谷。一級河川を隔てて隣り合う自治体が、同日同時刻に花火を打ち上げる。言葉にするのは容易だが、現場のオペレーションは極限の緊張感に包まれていた。かつて夏の風物詩だった花火大会がゲリラ豪雨や台風の影響で秋開催へ移行して以来、両岸の連携は一段と深化している。
川崎市観光協会と世田谷側の実行組織は、綿密なタイムスケジュールの同期を敢行。秒単位で設計された打ち上げプログラムは、観客の視線が途切れることなく川の両岸を行き交うよう緻密に計算されていた。福田紀彦(川崎市長)も当時、この広域連携が地域経済とコミュニティの紐帯を強める大きな契機になると強調していた。境界線を越えた行政連携の好例として、この合同開催は今も都市政策関係者の間で高く評価されている。