物価の上昇に伴い、外食市場全体で消費者の財布の紐が硬くなっているのは紛れもない事実だ。しかし、不思議なことにスイーツ売り場だけは例外的な賑わいを見せている。その秘密は「ワンコイン(500円前後の価格帯)」という心理的ハードルの絶妙なコントロールにある。
1回数千円のカフェ利用を控えつつも、日常のささやかなご褒美として数百円の洋菓子を購入する行為。これは行動経済学で言うところの「リップスティック効果」の現代版とも言える。店舗側もこの心理を巧みに計算し、300円台の日常使い商品から、リッチな原材料を惜しみなく投入した500円台のプレミアムラインまで、ターゲット層に応じた戦略的なグラデーションを配置している。