「『了解しました』がダメなら、謙譲語の『いたす』をつけて『了解いたしました』にすれば上司に使っても良いのでは?」と考えるビジネスパーソンは後を絶ちません。しかし、結論から言えば上司に対する「了解いたしました」は誤用または避けるべきグレーゾーン表現とみなされるのが現実です。
文法上は「了解」に謙譲語「いたす」を組み合わせているため、一見すると自分をへりくだった丁寧な敬語に見えます。しかし、言葉の核である「了解」が持つ「承認する」という意味そのものは消滅していません。そのため、言葉に敏感な管理職やマナー意識の高い役員からは「慇懃無礼(丁寧すぎてかえって失礼)」あるいは「言葉遣いをよく理解していない」と受け止められてしまうリスクが残ります。
テキストコミュニケーションが主軸となるビジネスメールにおける了解の言い換えとしては、以下のような文面パターンを用意しておくのが確実です。
【パターン1:業務の指示・依頼を受けた場合】
「ご指示の件、承知いたしました。本日17時までに初稿を作成し、改めてご報告いたします。」
【パターン2:スケジュールの変更や情報共有を受けた場合】
「日程変更の件、かしこまりました。調整いただき誠にありがとうございます。当日はよろしくお願いいたします。」
【パターン3:取引先からの要望や修正依頼を受けた場合】
「修正内容につきまして、確かに承知いたしました。ご指摘いただいた箇所を早急に反映させ、明日午前中までに再送いたします。」