日本における側弯症の早期発見システムは、学校保健の現場で大きな進化を遂げてきた。その中核を担ってきたのが脊柱側弯症学校検診プロジェクトである。かつては視触診に頼っていた検診現場だが、現在ではモアレ法や3Dデジタル計測器の導入が進み、成長期における微細な背骨の曲がりを早期に検知する体制が確立されつつある。
しかし、問題は大人世代だ。学校検診の対象を外れた20代以上の世代や、中高年期に入ってから骨の変性を起こす層に対しては、定期的・制度的なスクリーニングの機会が存在しない。その結果、本人が異変に気づいた時には弯曲が高度に進行しているケースが散見される。
成長期を過ぎた大人であっても、加齢に伴う椎間板の摩耗や筋力低下によって「二次的側弯」が進行することが分かっている。かつて学校検診で様子見と言われた経験がある人や、最近急に背が縮んだと感じる大人は、改めて現在の骨格状態を把握し直す必要がある。