タレとスパイスが完璧でも、揚げ上がりが重たければ「幻の手羽先」には届きません。肉汁を閉じ込めつつ余分な皮下脂肪を抜き、表面を極薄のガラス細工のようにクリスピーに仕上げるには、下処理と揚げ油の温度コントロールが不可欠です。
ステップ1:鶏手羽先下処理方法(皮の収縮を防ぎ火通りを均一化)
手羽先の裏側(皮が薄く肉が見えている面)にある2本の骨の間に、包丁の刃先で縦に1本スッと切れ込みを入れます。このひと手間で骨離れが劇的に良くなり、短時間で中心まで熱が通るため、肉のパサつきを完全に防ぐことができます。下処理後はキッチンペーパーで表面と切れ込みのドリップ(水分)を徹底的に拭き取ります。
ステップ2:衣は「片栗粉をごく薄く」まぶす
山ちゃんの手羽先唐揚げは、天ぷらやフライドチキンのような厚い衣をまといません。全体に片栗粉を軽く振ったら、両手でパンパンと叩いて粉が白く残らない極限まで落とすのがプロの裏ワザです。素揚げに近い状態を作ることで、タレを吸ってもふやけず、いつまでも軽快な歯ごたえが持続します。
ステップ3:二度揚げのコツ(低温じっくり→高温カリッと)
1回目の揚げ工程は160℃の低温で約4分間。時折空気に触れさせながらじっくりと火を通し、一度バットに引き上げて3分間休ませます。余熱で内部に火を通しつつ、肉汁を落ち着かせます。
2回目は180〜190℃の高温に上げた油で1分30秒〜2分間一気に揚げます。パチパチという水分の弾ける音が小さくなり、皮がキツネ色に引き締まったら引き上げの合図です。
ステップ4:仕上げのスピード勝負
油を切った手羽先が熱いうちに、ボウルに入れた秘伝ダレにサッとくぐらせるか、ハケで両面に素早く塗ります。タレに長時間浸すと衣が水分を吸ってしまうため、作業時間は1本あたり2秒以内が鉄則です。皿に並べたら、調合した特製スパイスパウダーを両面に惜しみなく振りかけます。