伊勢神宮や伊勢志摩の美しいリアス海岸、松阪牛や伊勢海老に代表される豊かな食文化。三重県が誇る歴史と自然のコンテンツは、いまや国内消費の枠を超え、世界的アトラクションとしての再評価が進んでいる。県庁の農林水産部や観光局が共同で立ち上げた特命チームは、従来のバイヤー頼みの流通構造を打ち破り、海外の高級レストランや旅行代理店との直接交渉を開始した。
欧米やアジアの主要都市で開催されるWeb商談会では、現地の料理人やインバウンドツアーの企画者に対し、食材の背景にある物語や持続可能な生産工程をダイレクトにプレゼンテーションしている。「ただ商品を売るのではない。三重という土地の文化とストーリーを買ってもらうのだ」。現場の担当者は語る。行政が前線に立ち、地域事業者のグローバル展開を強力にバックアップする姿勢が、地元の一次産業に明るい兆しをもたらしている。