映画化発表当時、ファンの間で最もキャスティングの難易度が高いと目されていたのが王騎将軍でした。身長2メートルを優に超える巨躯、独特の唇と妖艶な物腰、そして戦場を支配する圧倒的な武力を併せ持つキャラクターを、3次元の生身の人間が再現するのは極めて困難だと考えられていたためです。
しかし、劇場第1作の幕が上がると同時に、そうした懸念は瞬く間に賞賛へと変わりました。画面に映し出された大沢たかおの王騎は、歩き方一つ、視線の配り方一つに至るまで、まさに中華を震撼させた伝説の将軍そのものだったのです。原作特有のケレン味あるビジュアルと実写映画としてのリアリズムの境界線を巧みに見極め、単なるモノマネに終わらない「血の通った人間」としての王騎像を立ち上げた手腕は、日本映画界に大きな衝撃を与えました。