2019年12月に放映された番組は、定食チェーン「大戸屋」の舞台裏を容赦なく暴き出した。「店内で野菜を切り、出汁を引く」という妥協のない手作り調理は、同社の看板であり最大の強みだった。しかし、その裏で店舗のオペレーションは限界を迎えていたのである。
放送画面に映し出されたのは、月100時間を超える長時間労働に喘ぐ店長や、業績不振の理由を現場に突きつける当時のトップの姿だった。客思いのこだわりが、いつの間にか働く労働者の過剰な自己犠牲によって成り立っていた事実。視聴者が感じた強烈な違和感は、ブランドイメージを瞬時に失墜させた。
「お客様第一」という美名のもとで現場に負荷をかけ続ける旧態依存の経営スタイルは、テレビ報道という鏡によってその破綻を証明される形となったのだ。