かつてコロナ禍で叫ばれた「不要不急」と、現在のそれは意味合いが異なる。当時は感染拡大防止が目的だったが、今は「物理的な生存」と「インフラの維持」が目的だ。特に建設業や警備業、農業といった屋外労働の現場では、業務の継続自体が不可能に近い状態に陥っている。
「この暑さで外で働けというのは、死刑宣告と同じだ」。都内の建設現場で働く男性(42)は憤る。多くの現場では、日中の作業を全面的にストップし、気温が下がる深夜帯へのシフト変更を余儀なくされている。しかし、深夜でも30度を超える環境での労働は肉体を確実に蝕んでいく。サプライチェーンの遅延は、日本経済全体に静かな打撃を与えつつある。